心不全は、悪化と回復を繰り返し、徐々に病状が進行する病気です。心不全の悪化を防ぐためには適切な治療に加えて生活習慣の改善が重要ですが、日常生活の変化に伴い、心不全患者さんやご家族は、さまざまな困りごとを抱えたり、苦痛を感じることもあるかもしれません。
これらの苦しみを予防し、和らげるために、たくさんの医療スタッフが患者さんとご家族を支えています。
心不全患者さんを
支える医療スタッフ
患者さんとご家族
-
-
医師
症状の緩和を
含めた治療 -
看護師
治療全体の
サポート
-
-
-
薬剤師
お薬についての
相談 -
管理栄養士
食事についての
相談
-
-
-
臨床心理士
心の問題に
ついての相談 -
理学療法士
リハビリの
サポート
-
-
-
臨床工学技士
医療機器の
管理 -
臨床検査技師
血液検査や
心電図などの検査
-
-
-
医療ソーシャルワーカー
経済面を含めた
生活全般のサポート
-
心不全と長く付き合っていると、辛く苦しいときがあるかもしれませんが、決して一人ではありません。
心不全治療を行う病院では、このようにさまざまな専門スタッフが連携を図りながら、患者さんとご家族を支えています。
どんな些細なことでも、お困りのことがあれば相談してみましょう。
どこに相談すればよいか分からない場合は、まずは医師・看護師へお尋ねください。
心不全患者さんを
支えるサービス
心不全の悪化による再入院を防ぎ、住み慣れた場所で自分らしい生活を送るためには、さまざまな制度やサービスを活用することも重要です。
例えば、退院後の生活をサポートするものとして、「介護保険制度」があります。介護保険制度を使うと、訪問看護(看護師が患者さんの自宅を訪問し、健康チェックなどを行う)や訪問リハビリテーション(自宅でリハビリテーションを受ける)といったサービスを、所得に応じて1割~3割負担で受けることができます。
また、経済面では医療費の負担を軽減する制度などもあるため、お困りのことがあれば、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談してみましょう。
もしものときのために
心不全の症状は、急激に悪化することがあります。
心不全が悪くなったときに備えて、いざというときに代弁できる家族など信頼できる人に、生きる上で大切だと思っていることや、どのように生活したいかという気持ちを日頃から伝えておきましょう。
さらに、医療スタッフとも相談しながら、あらかじめこれからの治療やケアについて決めておくことがとても大切です。このような取り組みを人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)といいます。
-
「大切にしたいこと」や「してほしくないこと」など次のような希望があれば伝えておきましょう。
- 少しでも長く生きたい。
- 家族と過ごす時間を大切にしたい。
- 調子が悪いときは病院でみてもらいたい。
- 家族に負担をかけたくない。
- 治療の選択肢があるなら頑張りたい。
- 苦しい思い、痛い思いはしたくない。
-
話し合いの流れ
厚生労働省のホームページで、アドバンス・ケア・プランニングについて紹介されています。
詳しくは、「人生会議」してみませんかをご覧ください。
2024年6月作成