心不全とは、“心臓の機能が低下することによって、心臓が全身の各臓器に血液を十分に送り出せない状態”のことで、日本循環器学会の定義では、“心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気”とされています。

心臓のポンプ機能

心臓のポンプ機能が低下すると、十分な血液を全身や肺に送り出すことができなくなり、全身の臓器に十分な酸素が供給されなくなって、各臓器の機能が低下します。この状態がさらに進行すると、最終的に死に至ります。

心臓のポンプ機能

心臓は収縮と拡張を繰り返すことによって、
全身に血液を送っています。

心不全の種類

左心不全と右心不全

主に左心室が原因で起こる心不全が「左心不全」、右心室が原因で起こる心不全が「右心不全」です。両方悪くなる両心不全もしばしばあります。

左心不全と右心不全

収縮不全と拡張不全

左心室の収縮する力が低下して心不全になるのが収縮不全です。一方、収縮する力は低下していないのに左心室が拡張期に膨らむことができない、あるいは膨らむのに時間がかかることによって起こるのが拡張不全です。

収縮不全と拡張不全

急性心不全と慢性心不全

心不全は大きく「急性心不全」と「慢性心不全」の2つに分かれます。
急激に心臓の働きが悪くなる場合を「急性心不全」、心不全の状態が慢性的に続く場合を「慢性心不全」といいます。

急性心不全と慢性心不全

心不全の原因疾患

虚血性心疾患、心筋症、心筋炎、心臓弁膜症、先天性心疾患、不整脈などの多くの心臓の病気が心不全の原因になりうるので、注意が必要です。

心不全の原因疾患

心不全の併存疾患

高血圧や糖尿病、腎不全といった病気は、心不全の発症や進行に大きな影響を及ぼします。そのため心不全の治療にあたっては、これらの病気の予防や治療が重要です。

心不全の併存疾患

心不全は、悪化と回復を繰り返し、徐々に病状が進行する病気です。悪化と回復を繰り返しながら身体機能が徐々に低下し、最終的には安静にしていても症状がある状態になります。

2024年6月作成