心不全は何もしなければ徐々に悪化する病気であるため、慢性心不全では「ステージの進行を防ぐこと」を治療の目標とします。
心不全が悪化すると、心臓の働きが徐々に低下して心不全の症状が強く出現し、入退院を繰り返すことになります。また、心臓の働きが低下すると死亡のリスクが高まります。そのため、慢性心不全では、自覚症状を改善させて心不全の悪化による入院を減らすことが重要です。
心不全の治療方針は、大きく心不全ステージ分類と左心室の収縮機能による分類により決定されます。
左心室の収縮機能は「収縮する力が低下した心不全(HFrEF)」と「収縮する力が保たれた心不全(HFpEF)」に分けられます。
心不全ステージ分類と左心室の収縮機能をもとに適切かつ十分な薬物治療を行い、その後必要に応じてステージCでは植込み型除細動器(ICD)や心臓再同期療法(CRT)、ステージDでは補助人工心臓や心臓移植も検討されます。
2024年6月作成