『心不全診療ガイドライン』において、心不全は進行度に応じてステージAからステージDに分類されています。
心不全ステージ分類
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ステージA
高血圧、動脈硬化性疾患、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)、メタボリック症候群/肥満などの心不全に繋がるリスクがあるものの、心不全の症状や徴候がなく、心臓の病気およびバイオマーカーの異常(心臓の負担を示す数値の異常)もない場合。
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ステージB
心不全の症状や徴候はないが、心臓の病気やバイオマーカーの異常などがある場合。
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ステージC
心臓の病気があり、むくみや息切れなど心不全の症状や徴候も現れている場合。ここからが心不全とされています。
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ステージD
治療しても日常的な身体活動が制限される状態が続く場合。さまざまなお薬を使っても治りにくい、末期心不全の段階です。
一度ステージが上がってしまうと元に戻すことは難しいので、ステージを上げないことが重要です。
また、「NYHA※心機能分類」も使用されています。「NYHA心機能分類」とは、自覚症状をもとに心不全の重症度を4段階に分類したものです。
※NYHA:ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)
NYHA心機能分類
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Ⅰ度
心臓の病気はあるが、通常の身体活動では疲労・動悸・息切れ・胸の痛みは起こらない。
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Ⅱ度
通常の身体活動(坂道や階段をのぼるなど)で疲労・動悸・息切れ・胸の痛みが起こる。安静にしているときは症状がない。
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Ⅲ度
通常以下の身体活動(平地を歩くなど)で疲労・動悸・息切れ・胸の痛みが起こる。安静にしているときは症状がない。
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Ⅳ度
どんな身体活動でも症状が出る。安静にしていても疲労・動悸・息切れ・胸の痛みがみられる。
簡単にいうと、症状がない状態をⅠ度、安静にしていても症状がある状態をⅣ度として、平地を歩くだけでは息切れしない状態をⅡ度、息切れしてしまう状態をⅢ度としています。
【参考】
日本循環器学会/日本心不全学会.2025年改訂版心不全診療ガイドライン.
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Kato.pdf.2025年11月閲覧
2025年12月作成
