心不全患者さんやご家族は、療養生活の中でさまざまな困りごとを抱えることもあるかもしれません。少しでも負担を減らして自分らしい生活を送るために、活用できる支援制度はないか、一度確認してみましょう。
お金に関する悩み
病気によって仕事や生活が著しく制限される状態になったとき、生活を支えるために支給されるものとして「障害年金」があります。
身体上の障害により日常生活でサポートが必要な方は、自治体から交付される「身体障害者手帳」を取得することができます。身体障害者手帳を取得することで、障害者総合支援法に基づく福祉サービスや、税金面での優遇、公共交通機関の割引などのサービスを受けることができます。
医療費の負担が大きくならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヵ月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」があります。
一部の難病で、病状が一定程度以上の場合、患者さんの自己負担額を小さくする仕組みとして「難病医療費助成制度」があります。この制度を利用すると、医療費の自己負担額が3割から2割へ引き下げられ、上限額も設定されます。
その他
生活全般に関する悩み
退院後の生活をサポートするものとして、「介護保険制度」があります。要介護認定を受けた上で決定される支給限度額の範囲内で利用できる訪問看護(看護師が患者さんの自宅を訪問し、健康チェックなどを行う)や訪問リハビリテーション(患者さんの自宅でリハビリテーションを受ける)といったサービスを、所得に応じて1割~3割負担で受けることができます。
障害のある方が自立した社会生活を送ることができるように、「障害者総合支援法」が定められています。これによって、患者さんそれぞれのニーズに応じて、さまざまな福祉サービスを組み合わせて利用することができます。
障害のある方が自立した職業生活を送ることができるように、「障害者雇用促進法」が定められています。
以上のように、いろいろな面で患者さんやご家族をサポートする制度がありますので、お困りごとがあれば、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーに相談してみましょう。
2024年8月作成