「障害者総合支援法」は、障害のある方が日常生活や社会生活を送るうえで必要な福祉サービスなどを定める法律です。心臓に障害があり、身体障害者手帳を交付されている患者さんは障害者総合支援法の対象となります。
障害者総合支援法とは
これまで、生活に支障をきたすことがあるものの、障害認定基準に満たない患者さんが制度の谷間となっていました。障害者総合支援法では、障害者の範囲に難病などを加えてその谷間を埋め、障害者が自立した社会生活を送ることができるよう支援することを目的としています。
法が対象とする障害者の範囲は、身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害者を含む）を持つ成人と児童、300種以上ある難病患者さんです。2023年5月現在、循環器系の病気においては、特発性拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症など27種が難病に指定されています。
障害者総合支援法による
福祉サービスとは
障害者総合支援法による福祉サービスは、「自立支援給付」と「地域生活支援事業」が中心となります。
自立支援給付
介護が必要な患者さんのニーズに応じてサービスを提供する「介護給付」や、就職のための訓練などを行う「訓練等給付」などがあり、障害の程度やそれぞれの事情などをふまえて個別に支給が決定されます。
地域生活支援事業
障害のある方が身近な地域で生活していくために市町村や都道府県によって行われる支援のことで、相談支援や移動支援(外出のための支援を行う)などがあります。
利用者負担額について
利用者負担額は、原則1割です。世帯の収入状況などによって負担の上限額が決められており、それ以上の負担は生じません。
※1 3人世帯で障害基礎年金１級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
※2 収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。
※3 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
参考：厚生労働省. 障害者の利用者負担. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html
所得を判断する際の世帯の範囲は、次のとおりです。
| 種別 | 世帯の範囲 |
|---|---|
| 18歳以上の障害者 (施設に入所する18歳、19歳を除く) |
障害のある本人とその配偶者 |
| 障害児 (施設に入所する18歳、19歳を含む) |
保護者の属する住民基本台帳での世帯 |
参考：厚生労働省. 障害者の利用者負担. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html
なお、入所型の施設利用の場合は食費や光熱水費などの居住に要する費用は実費負担となりますが、負担が大きくなりすぎないように、それぞれ負担を小さくする措置が設けられています。
厚生労働省のウェブサイトで、利用者負担について紹介されています。
詳しくは「障害者の利用者負担」をご覧ください。
サービスを利用するには
介護給付や訓練等給付を利用する際は、まず市区町村の窓口に申請書を提出します。申請する窓口は同じですが、介護給付や訓練等給付では流れが一部異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
(訓練等給付を希望する場合には、原則として障害支援区分の認定は不要ですが、共同生活援助[グループホーム]を利用する際は認定が必要です。)
【参考】
・全国社会福祉協議会. 障害福祉サービスの利用について. https://www.shakyo.or.jp/download/shougai_pamph/date.pdf
・厚生労働省. 地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/index.html
・厚生労働省. 障害福祉サービス等. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/index.html
2023年5月作成
